第4 攻撃防御の構造の説明
1 理論編
(1)ここで問われてること
要件→効果のうち,効果面を説明することを求められている。
権利変動がどのようなメカニズムになっているかを説明する。
大ブロックの組立て方を説明する。中身の小ブロックを説明してはいけない。
(2)実体法的側面と訴訟法的側面
イメージとしては,
https://gyazo.com/76f8bf309a8f1fa6d066df49200c3907
という二つの世界の対応関係を説明する,ような感じ。
2 書き方編
(1)請求原因(分量の目安は,数行から半ページ)
事案の概要を記載する。
訴訟物を特定する要素を盛り込むようにするとよい。
Yの反論に留意して,意味をもつ事実は盛り込んでおく。ただし,わかんなかったら,そんなに神経質にならなくてよい。
code:例
「Xは,……したとして,Yに対し,○○を求めている。」
(2)抗弁以下(分量の目安は,半ページ~2ページ)
ア 3つのまとまり
3つのまとまりで構成する。
code:まとまり
ⅰ 主張の要約
ⅱ 実体法上の効果の説明 債権がどのように動いたか
ⅲ 訴訟法上の機能の説明 訴訟法上はどのように機能するか
イ 説明
ⅰ 主張の要約
検討対象の主張を特定するためのパート。
主張の特定要素はなるべく入れる。
code:例
「抗弁1は,……したとして,……を主張するものである。」
ⅱ 実体法上の効果(債権の変動)
「実体法的側面-債権-効果」を説明するパート。ここが一番分量が多くなる。
実体法上の効果を書く。債権的な訴訟物の場合は,何がどうなるから債権がどう変動するのか,を書く。権利変動のメカニズムを説明するのだと思えばよい。
たとえば,
code:例
「Aが消えるから,それと運命共同体にあるBが消えて,Bが消えるとCが復活するので,そのCによってDが行使できなくなる。結局,Dと運命共同体にあるαは行使不能になる。」
みたいな感じ。
ひとつの権利変動ごとに,条文を指摘した上で,権利変動の仕組みを簡単に説明すると,点数がつきやすい。
ⅲ 訴訟法上の機能(請求権がどうなったか)
「訴訟法的側面-請求権-機能」を説明するパート。3行程度。
抗弁の定義,再抗弁の定義を意識して記載する。
code:例1
「したがって,この主張は,請求原因事実と両立しつつ,請求原因から発生する○○権を消滅させるから,抗弁として機能する。」
code:例2
「したがって,この主張は,請求原因事実,抗弁1の事実と両立しつつ,抗弁1の効果を発生障害し,請求原因から発生する○○権を復活させるので,再抗弁として機能する。」